経過観察中の未破裂脳動脈瘤をなぜ治療することになったのか:スイス・アーラウ州立病院の経験

公開日:

2024年11月14日  

最終更新日:

2025年1月7日

【背景】

小型の未破裂脳動脈瘤,特に5 mm以下のものでは,破裂リスクが小さく,経過観察されることが多い(文献1-4).しかし破裂動脈瘤の中に占める5 mm以下の動脈瘤の割合は5割に達し,小型動脈瘤は決して安全な動脈瘤というわけではない(文献5).このため臨床現場では,経過観察中の未破裂動脈瘤の中で増大や形状の変化を示すものを治療の対象とすることは多い.スイスのアーラウ州立病院脳外科は,2006年以降に経験した未破裂動脈瘤556例のうち一旦経過観察の方針となった144例(動脈瘤径中央値3 mm)を後方視的に解析して,経過観察中に治療対象となった頻度,因子を明らかにした.