公開日:
2024年11月28日最終更新日:
2025年1月7日【背景】
成人長期存続型著明脳室拡大(LOVA)とは,小児期に生じた中脳水道の先天的・後天的な狭窄・閉塞によって,長期間無症候性の水頭症として存続したものが,成人期に発症するものである(文献1).患者は著明な脳室拡大を示す.頭位拡大やトルコ鞍の拡大・破壊を伴うものも多い.
症候性のLOVAに対しては,近年第三脳室底開窓術(ETV)の有効性が報告されている(文献2,3,4).本稿は,イタリアのウディネ大学脳外科でETVを行ったLOVAの23症例(平均年齢59歳)を対象に,LOVAに対するETVの効果と,効果を左右する因子を解析したものである.対象例のEvans Index(EI)は平均0.43であった.
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