クラスター解析による先端巨大症の分類

公開日:

2016年10月28日  

最終更新日:

2017年6月9日

A structural and functional acromegaly classification.

Author:

Melmed S  et al.

Affiliation:

Pituitary Center, Department of Medicine, CedarsSinai Medical Center,LA, CA, USA

⇒ PubMedで読む[PMID:25250634]

ジャーナル名:J Clin Endocrinol Metab.
発行年月:2015 Jan
巻数:100(1)
開始ページ:122

【背景】

先端巨大症(成長ホルモン産生下垂体腺腫)を臨床所見,画像所見,組織学的所見,治療転帰に基づいて,より厳密に分類するため,クラスター分析の手法を用いた(n=292).

【結論】

Type1は50%を占め,高齢者で長期追跡患者,非浸潤性かつdensely granulated typeのmicroadenomaかmacroadenoma,上方進展より蝶形骨洞進展が強いため上面凹の形状(concave型腫瘍)をし,p21とソマトスタチン受容体2陽性細胞が豊富で治療転帰良好.
Type 2は19%を占め,非浸潤性,denselyあるいはsparsely granulated typeのmacroadenomaで,上方にも下方にも進展せず(flat型腫瘍),治療転帰は中間群.
Type 3は31%を占め,sparsely granulated typeで浸潤型のmacroadenoma,腫瘍は上下方向に進展し(peanut型腫瘍),視交叉を圧迫しがちで,p21とソマトスタチン受容体2陽性細胞に乏しく,治療転帰は不良.

【評価】

クラスター解析は,外的基準なしに自動的に分類する手法で,多くの変数を有するものが混ざりあっている集団(対象)の中から互いに似たものを集めて集落(クラスター)を作り,対象を分類しようという方法である.
従来,denselyあるいはsparsely granulated typeの2大別で理解していた成長ホルモン産生下垂体腺腫であるが,本論文で提案された3群分けのほうがより臨床像にフィットしていそうである.実際,治療転帰(生存率,活動性疾患,IGF-1高値)との高い相関が示されている.
著者らは、サイトケラチンパターン(sparselyあるいはdensely)、大きさ(micro-あるいは macro-)、MRI上の浸潤性の有無の3つのパラメーターの組み合わせで、3群に分けることが可能としている。すなわちsparsely granulated typeは全てmacroadenomaであって、浸潤があるものがType 3, ないものがType 2。Densely granulatedでmicroadenomaはすべてType 1。Densely granulatedかつmacroadenomaで浸潤があるものがtype 1、浸潤がないものがtype 1とtype 2に分かれる。
ちなみに,p21 蛋白は野生型 p53 によって転写が活性化され,p53 の細胞周期停止機能のメディエーターとして働く.p21蛋白の低発現はp53のmutationの帰結と考えて良い.
なお,ここで言うpeanutとは外殻をかぶったピーナッツを縦においた形状で,いわばダンベルの形状と一致する.

執筆者: 

有田和徳

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