ドイツにおける下垂体炎:従来の常識との違い

公開日:

2016年8月27日  

最終更新日:

2017年9月23日

Diagnosis of Primary Hypophysitis in Germany

Author:

Honegger J  et al.

Affiliation:

Department of Neurosurgery, University of Tuebingen, Tuebingen, Germany.

⇒ PubMedで読む[PMID:26262437]

ジャーナル名:J Clin Endocrinol Metab.
発行年月:2015 Oct
巻数:100(10)
開始ページ:3841

【背景】

ドイツ内分泌学会下垂体ワーキンググループは下垂体炎の臨床像と,現段階における診断手順の実際を明らかにするために横断的観察研究を行った(n=76).

【結論】

男女比7:3で,妊娠に関連した下垂体炎は女性患者の11%に過ぎない.最頻の非内分泌症状は頭痛(50%)と体重増加(18%).尿崩症は54%.下垂体前葉ホルモンのうちではゴナドトロピン分泌不全が62%で最頻.MRI上,86%に下垂体茎の腫大が認められた.過半の症例で診断は組織学的診断によらず,臨床所見,画像所見によっていた.肉芽腫性下垂体炎はリンパ性下垂体炎より臨床症状がより重篤であった.

【評価】

従来の報告では,下垂体炎は圧倒的に女性に多く,妊娠に関連するものが多いとされた.また,前葉ホルモンでは成長ホルモン,ゴナドトロピンより,ACTH,TSHが障害されやすいのが下垂体炎の特徴として有名であった.本研究結果はこれらと好対照をなす.体重増加はこれまで注目されてこなかった.炎症の視床下部への波及を示すのか.本研究では下垂体ホルモン分泌不全の判断は参加施設に任されている.診断基準を統一したうえで再評価が必要である.

執筆者: 

有田和徳

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