非機能性下垂体腺腫にドパミン作動薬は効くか

Vol.1, No.2, P.2 公開日:

2016年9月4日  

最終更新日:

2018年4月26日

Treatment of clinically nonfunctioning pituitary adenomas with dopamine agonists.

Author:

Greenman Y  et al.

Affiliation:

Institute of Endocrinology, Metabolism and Hypertension, Tel Aviv Sourasky Medical Center, Tel Aviv, Israel

⇒ PubMedで読む[PMID:27150495]

ジャーナル名:Eur J Endocrinol.
発行年月:2016 Jul
巻数:175(1)
開始ページ:63

【背景】

非機能性下垂体腺腫のうち,手術後に残存腫瘍が認められた患者を対象とするドパミン作動薬(DA)投与の研究.米国とイスラエルで実施された. DA治療群は①手術後に腫瘍が残存した55例(予防投与群:PT), ②手術後に残存した腫瘍が増大した24例(治療投与群:RT)の合計79例.平均追跡期間8.8±6.5年.対照は非投与の60例.

【結論】

腫瘍縮小:不変:増大の割合は,PT群で8%:49%:13%,対照群で 0%:53%:47%.15年間の無増大生存率はPT群:0.805, RT群:0.24, 対照群:0.04(p<0.001).追加手術や定位放射線照射が必要であったのはPT群:13%, RT群:38%, 対照群:42%(p=0.002).治療結果と腫瘍細胞のドパミン2受容体の発現量は相関しなかった.

【評価】

非機能性下垂体腺腫に対するDA投与は以前から試みられていたが,その結果は相反している.今回は術後の残存あるいは再発例を対象としており,かなり有望な感じであるが,やはりRCTが必要.

執筆者: 

有田和徳

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