Vol.1, No.2, P.14 公開日:
2016年9月19日最終更新日:
2020年12月10日Snare technique for the remodeling of the redundant arachnoid pouch to prevent cerebrospinal fluid rhinorrhea and hematoma collection during transsphenoidal surgery for suprasellar-extended pituitary tumors.
Author:
Moon JH et al.Affiliation:
Department of Neurosurgery, Pituitary Tumor Center, Yonsei Endocrine Research Institute, Yonsei University College of Medicine, Seoul, Koreaジャーナル名: | J Neurosurg. |
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発行年月: | 2016 Mar |
巻数: | 11 |
開始ページ: | 1 |
【背景】
鞍上進展の強い下垂体腺腫において腫瘍摘出後の被膜(くも膜ポーチ)から髄液漏が起こったり,被膜内に血腫を作ることは稀ではない.韓国Yonsei UniversityのMoon J.H.らは,過剰なくも膜ポーチを縫縮する技術を開発し,その有用性を検討した.腫瘍摘出後にトルコ鞍内に反転下降したくも膜ポーチを7-0吸収糸で縫縮した(n=9).
【結論】
縫縮にあたっては鞍上部に過剰スペースができないよう,くも膜の裂け目が縫縮部分に入るよう配慮した.9例とも手術後髄液漏,視機能低下は認められず,手術直後のMRIでは腫瘍高の著明な低下が認められた.
【評価】
鞍上部進展の著しい下垂体腺腫では,腫瘍の摘出後に鞍上部の被膜(くも膜ポーチ)が残るが,このポーチから髄液漏が起こったり,ポーチ内に血腫を形成することがある.中には血腫のために手術直後に視機能が低下する例もある.この過剰なポーチを小さくしたいという思いは,下垂体外科医が共通して抱いているところだが,Moonらは1つの解決策を提起した.ただし,経鼻手術に際して深部で糸により縫縮するのは至難と思われる.糸に代わるクリップなどの簡便な材料や技術の出現が望まれる.
執筆者:
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参考サマリー