巨大プロラクチノーマ(>4cm)は通常のマクロプロラクチノーマ(<4cm)とは異なるのか 

公開日:

2016年12月12日  

最終更新日:

2017年5月11日

Giant prolactinomas: are they really different from ordinary macroprolactinomas?

Author:

Espinosa E  et al.

Affiliation:

Experimental Endocrinology Unit, Hospital de Especialidades, Centro Me´dico Nacional Siglo XXI, Instituto Mexicano del Seguro Social, Me´xico City, Mexico

⇒ PubMedで読む[PMID:26561015]

ジャーナル名:Endocrine.
発行年月:2016 Jun
巻数:52(3)
開始ページ:652

【背景】

Giant prolactinoma(gPRLoma:腫瘍径>4cm,血清PRL値>1,000ng/ml)は発生頻度が比較的低く,その特徴は不明な点も多い.本研究ではgPRLoma 47例とmacroPRLoma 152例(腫瘍径<4cm)を比較し,特にドーパミンアゴニストに対する治療効果の違いを明らかにした.

【結論】

①gPRLoma 47例中,男性が42例.PRLは中央値6,667ng/ml,腫瘍径は中央値48mmであった.macroPRLomaと比較して年齢(中央値44歳)が高く,男性(89%)に多く,視野障害(79%)を認める頻度が高い傾向を認めた.
②カベルゴリンの最大投与量はgPRLomaで中央値2mg/wと,macroPRLoma(1.5mg/w)より有意に多かった.
③PRL値の正常化率はgPRLoma 68%,macroPRLoma 74%.腫瘍体積が50%以上減じた割合はgPRLoma 87%,macroPRLoma 87.5%といずれも有意な差を認めなかった.
④gPRLomaとmacroPRLomaの臨床像に違いはなく,カベルゴリンによく反応し,手術はほとんど必要とならない.

【評価】

本研究の対象症例数は47例で,過去同様の論文における症例数(10〜20例)と比べて多い.
本研究ではマクロプロラクチノーマと比較し,巨大プロラクチノーマにおいてもカベルゴリンによる治療効果は同等であると示された.また,同じ研究グループからは6cm以上の巨大なプロラクチノーマにおいてもカベルゴリンによる同等の治療効果が得られると報告されている.しかし,6cm以上の症例では薬物療法により髄液漏も生じており,手術を必要とした症例が増える傾向が示されている(文献1).
過去の報告では巨大プロラクチノーマにおけるPRL値の正常化率は60〜70%とされ(文献2),他のプロラクチノーマより正常化率が低いとも言われている.本研究でも有意差は認めないがマクロプロラクチノーマよりPRL値正常化率が低い(68% vs 74%).また本研究では両群ともカベルゴリンの投与量は比較的少ない特徴がある(2mg/w vs 1.5mg/w).
今後さらに症例数が増え,カベルゴリンを積極的に増量した場合は本研究の結果が変わる可能性も考えられる.しかし,巨大プロラクチノーマに対して薬物療法が第一選択であることを支持する結果に変わりはない.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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