先端巨大症に対する第一世代ソマトスタチン誘導体の報告された有効率のばらつきをどう理解するか

公開日:

2016年12月11日  

最終更新日:

2017年5月11日

Interpreting biochemical control response rates with first-generation somatostatin analogues in acromegaly.

Author:

Colao A  et al.

Affiliation:

Dipartimento di Medicina Clinica e Chirurgia, Universita` Federico II di Napoli, Naples, Italy

⇒ PubMedで読む[PMID:26519143]

ジャーナル名:Pituitary.
発行年月:2016 Jun
巻数:19(3)
開始ページ:235

【背景】

ソマトスタチン誘導体の徐放性オクトレオチド(O-LAR)ならびにランレオチド・オートゲルは先端巨大症に対する薬物療法の主役であるが,その有効率にかなりのばらつきがある.特に最近の治験結果の報告における有効率は低い.患者数10例以上,治療期間24週以上の治験を対象に検討し,このばらつきの原因を明らかにした.オクトレオチドで18件,ランレオチドで15件の治験が対象になった.

【結論】

治験プロトコールにおける複数の要因が有効率の違いに影響を与えている.前向き試験であること,intension to treat analysis (ITT解析),GHとIGF-1の正常化の両方を満たすことをエンドポイント(複合エンドポイント)とすることが有効率低下と関連していた.一方,複合エンドポイントを採用しないこと,患者集団の不均一性,治療無反応性患者の除外,ホルモン測定法のばらつき,短時間作動薬(オクトレオチド皮下注)への反応性などが高い有効率に寄与していた.

【評価】

先端巨大症に対するO-LARならびにランレオチドの有効性はこれまで50〜80%と報告されてきたが,最近数年間の報告では17〜41%まで低下している.著者らは,前向き試験,ITTの採用,複合エンドポイントの採用を主要な低下要因としてあげている.このほか,初期の研究では短時間作用型の薬剤に効果を示したものを治験対象にしたものがあること,また最近のfirst line useとは異なり手術後症例が多かったこと,早期再手術症例の除外なども要因であろう.これらの事項は報告された臨床治験のデータを基に,個々の先端巨大症患者の治療反応性を予測するときに十分に配慮すべき事項である.加えて今後は腫瘍のサブタイプ(densely or sparsely),腫瘍細胞におけるSSTR2の陽性率,AIP発現なども考慮すべきであろう.
なお,プロトコールから逸脱した患者もすべて含めて解析するのが,intention to treat analysis(ITT解析)であり,近年のRCTでは前提となっている.

執筆者: 

有田和徳

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