免疫染色によって頭蓋咽頭腫におけるβ-cateninとBRAFの遺伝子変異を予測出来るか

公開日:

2017年12月20日  

最終更新日:

2017年12月20日

Study of β-catenin and BRAF alterations in adamantinomatous and papillary craniopharyngiomas: mutation analysis with immunohistochemical correlation in 54 cases.

Author:

Malgulwar PB  et al.

Affiliation:

Department of Pathology, All India Institute of Medical Sciences, Ansari Nagar, New Delhi 110029, India

⇒ PubMedで読む[PMID:28500561]

ジャーナル名:J Neurooncol.
発行年月:2017 Jul
巻数:133(3)
開始ページ:487

【背景】

頭蓋咽頭腫のadamantinomatous type(ACP)ではβ-cateninの遺伝子であるCTNNB1に変異を認め,papillary type(PCP)ではBRAF V600Eに変異を認めることが知られている.本稿ではインドから54例(初発50例)の頭蓋咽頭腫において,CTNNB1とBRAF V600Eの遺伝子変異と,免疫染色によるにβ-cateninとBRAF V600E(anti-VE1)の発現を調べ,ACPとPCPの分類における意義を検討した.

【結論】

初発例のACPではCTNNB1の変異を27/43例に認め,免疫染色では34/43例でβ-catenin陽性であった.CTNNB1の変異を認めた27例全例でβ-catenin陽性であった.初発例のPCPではBRAF V600Eの変異を4/7例に認め,免疫染色では3/7例でBRAF V600E陽性であった.免疫染色で陽性を示した3例全例でBRAF V600Eの遺伝子変異を認めた.結論としてACPとPCPの分類には,β-cateninの免疫染色とBRAF V600Eの遺伝子変異の検索が有用である.

【評価】

CTNNB1とBRAFの遺伝子変異とβ-cateninとBRAF V600Eの免疫染色の発現が一致すれば,より簡便に検索できると期待したが,そううまくはいかないようである.頭蓋咽頭腫におけるCTNNB1およびBRAFの遺伝子変異を認める頻度は報告によって異なっている.さらに免疫染色による検討になると結果のバラツキが予想される.本稿では特にPCPが7例と少なく,上記の結論をそのまま受け入れることは難しい.免疫染色による検討はさらに多数例での追試が必要であろう.
一方で,CTNNB1とBRAFの遺伝子変異と頭蓋咽頭腫の臨床発現形にどのような相関があるのかについては,まだ充分に明らかになっているとは言えない.特に,臨床所見や画像による術前予測が可能になれば,術前薬物療法の可能性も出てくるので,この領域の発展に期待したい.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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