下垂体後葉腫瘍16例の手術成績:術中大量出血に注意

公開日:

2018年11月28日  

最終更新日:

2018年11月28日

Posterior pituitary tumours: the spectrum of a unique entity. A clinical and histological study of a large case series.

Author:

Guerrero-Pérez F  et al.

Affiliation:

Department of Endocrinology, Hospital Universitari de Bellvitge, Barcelona, Spain

⇒ PubMedで読む[PMID:30276594]

ジャーナル名:Endocrine.
発行年月:2018 Oct
巻数:[Epub ahead of print]
開始ページ:

【背景】

2017年のWHO Classification of Tumours of Endocrine Organsの発表以降,報告が散見される下垂体後葉腫瘍の報告の1つである.本稿はスペインからthyroid transcription factor 1(TTP-1)陽性の下垂体後葉腫瘍16例を後方視的に検討した.男性:女性=4(25%):12(75%).平均年齢:55歳(30~74歳)

【結論】

内訳はPituicytoma 7例,Granular cell tumor 3例,Spindle cell oncocytoma 6例であった.初発症状は視機能障害(37.5%),続いて高PRL血症に伴う無月経(18.7%)であった.術前に下垂体前葉機能低下症を37.5%に認めたが,尿崩症はなかった.術前診断は全例非機能性下垂体腺腫であった.手術による腫瘍全摘出し得た症例は57.1%,亜全摘出が42.8%であった.手術合併症として,手術中の多量出血が20%(うち1例は死亡),新たな下垂体前葉機能低下症が21.4%,尿崩症が35.7%に認められた.

【評価】

本稿では特に手術合併症率の高さが特異的である.Pituicytomaは易出血性の腫瘍で腫瘍内にflow voidも認めることが多いことは過去にも報告されている(文献1,2).本稿での死亡例については,血腫が脳幹を圧迫し,水頭症も呈して術後早期に亡くなっていた.術中の出血が多いため,部分摘出にとどまらざるを得ない症例もあると報告されている.
下垂体機能については,尿崩症が新たに3割以上で生じていることは注意すべき点である.本稿は下垂体後葉腫瘍全てが含まれているが,Spindle cell oncocytomaはPituicytomaよりinvasiveで正常下垂体との境界が不明瞭であるという報告もあり(文献3),下垂体機能評価もそれぞれの腫瘍型ごとに分けて検討する必要がありそうだ.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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