2017年WHO分類におけるPosterior pituitary tumor:総説

公開日:

2018年11月29日  

最終更新日:

2018年12月1日

Welcoming the new WHO classification of pituitary tumors 2017: revolution in TTF-1-positive posterior pituitary tumors.

Author:

Shibuya M  et al.

Affiliation:

Central Clinical Laboratory, Hachioji Medical Center, Tokyo Medical University, Tokyo, Japan

⇒ PubMedで読む[PMID:29500747]

ジャーナル名:Brain Tumor Pathol.
発行年月:2018 Apr
巻数:35(2)
開始ページ:62

【背景】

2017年のWHO Classification of Tumours of Endocrine Organsによってthyroid transcription factor 1(TTP-1)陽性の下垂体後葉腫瘍は新たなカテゴリーに分類された.本稿では14例の自験例の検討を加えながら,Pituicytoma(PC),Granular cell tumor(GCT),Spindle cell oncocytoma(SCO),Sellar ependymoma(SE)について過去の論文をレビューし,病理学的所見から臨床的所見まで各腫瘍の特徴を明らかにした.

【結論】

下垂体後葉腫瘍は下垂体後葉に存在するグリア(pituicyte)より発生した腫瘍である.SCOは濾胞星状細胞(folliculo-stellate cell)から発生すると考えられた時期もあったが,現在は誤りであったと理解されている.
1980年にはTakeiらがpituicyteを電顕所見によって次の5つのタイプ,①major ②dark ③ependymal ④oncocytic ⑤granularに分類した(文献1).言うまでもなくpituicytomaは①と②,GCTは⑤,SCOは④,SEは③がoriginと考えられる.
PCはやや男性に多く,solidで境界が明瞭な腫瘍であることが多い.GCTはやや女性に多く,鞍内型が少ない.SCOは汎下垂体機能低下症を伴う頻度が高く,invasiveで境界が不明瞭,易出血性である.臨床症状や画像所見で4つの腫瘍を鑑別することは困難である.

【評価】

本稿は腫瘍の発生起源から臨床所見,病理学的所見まで分かりやすく記載されており,下垂体後葉腫瘍をこれから勉強する方には,初めに読むことをお勧めしたい.
本稿では4つの腫瘍についてその特徴が詳しく述べられているが,それぞれの腫瘍は形態学的にもオーバーラップしており,クリアカットに分類できないとされている.また,SCOでは術後の再発も少なからず報告されており,4つの腫瘍が全てWHO grade Ⅰに分類されている点は見直す必要性があると指摘している.他の腫瘍も同様と考えられるが下垂体後葉腫瘍についても,現在のWHO分類はこれから議論すべき点をまだ多く含んでいると考えられる.

執筆者: 

木下康之   

監修者: 

有田和徳

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