公開日:
2018年12月20日最終更新日:
2021年3月11日【背景】
クッシング症候群の患者において内分泌学的な検査で下垂体性ACTH過剰症(クッシング病)が示されても,手術中に腫瘍が見つからないことは稀ではない.その原因としては極く微小な腺腫,異所性(海綿静脈洞内など)腺腫,ACTH細胞過形成などが示唆されている.では,現実にそのような場面に直面した時にどうするのか.クッシング病の重篤さを考えれば,あきらめて帰ってくるわけにはいかない.コロラド大学のチームは過去22年間で経験したクッシング病の手術症例161例のうち手術中に腺腫が発見できなかった22例(13.6%)を検討し,彼らが行っている下垂体2/3切除(下垂体の両翼と下方を切除し,中心部で下垂体茎に近い部分のみを残す)の有用性を検討した.
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