ラトケ嚢胞のドレナージ後再発防止に粘膜連結法の提案

公開日:

2019年12月2日  

最終更新日:

2021年1月6日

【背景】

ラトケ嚢胞に対する手術は,粘膜の可及的な切除と,ドレナージ法に分けられる.前者は,高率に下垂体機能低下を招き,後者は長期観察におけるドレナージルートの閉塞による再貯留・再発が課題であった(文献1,2,3).筑波大学のKinoらは,ラトケ嚢胞の開窓部に蝶形骨洞粘膜を近接させるというmucosa coupling method(MC method:粘膜連結法)を開発し,長期にわたるドレナージルートの確保を試みた.本稿は,彼らのラトケ嚢胞連続40例に対する手術のうち,術中髄液漏のため鞍底閉鎖を行った5症例を除き,従来の単純ドレナージ(21例)と粘膜連結法(14例)の効果を比較したものである.