複数の下垂体転写因子が発現している多ホルモン性下垂体腺腫はアグレッシブである

公開日:

2020年5月22日  

最終更新日:

2021年1月7日

【背景】

WHO-END2017内分泌腫瘍の分類によれば,多ホルモン性下垂体腺腫は①転写因子(TF)のうちPIT1のみの発現が陽性でGH,PRL,TSH,α-subunit産生を示す腫瘍と,②複数の転写因子が発現し,複数のホルモンの組み合わせを示す腫瘍(PAWUC)からなる(文献1,2).
ウィーン大学のMickoらは,ゴナドトロフへの分化転写因子あるいは関連因子(TFGA:SF1,GATA3,ERα)だけを発現するTFGA単独発現腫瘍(ゴナドトロピノーマ)51例と他の転写因子(PIT1,TPIT)を同時に発現するTFGAプラス腫瘍22例を抽出し,TFGAプラス腫瘍(PAWUC)の特徴を検討した.