経鼻下垂体手術中のエアロゾル拡散の実測データ:ドリルは関係なさそう,問題は挿管,抜管,ドレープ外し

公開日:

2021年2月14日  

最終更新日:

2021年5月29日

【背景】

2020年1月,武漢において,COVID-19感染患者の下垂体手術中に感染が広まったとして情報が誤って伝えられ,世界中で下垂体手術が中止された(文献1,2).同8月にはPituitary Societyが,COVID‑19パンデミック下における下垂体疾患の手術指針を発表し,感染者ではドリルの使用を避けることなどを提案したが(文献3),実際の下垂体手術に際して患者の鼻腔・口腔から拡散するエアロゾル(飛沫)の数や広がりを測定した研究はなかった.メルボルン大学などのチームは粒子画像流速測定法(PIV)と空気サンプリング・スペクトロメトリー(APS)を用いて,経鼻手術に際する飛沫の広がりを測定した.