tPAによる脳室内血腫の除去は機能予後を改善せず:CLEARIII,二重盲検討RCTの結果

公開日:

2017年2月13日  

最終更新日:

2017年5月8日

Thrombolytic removal of intraventricular haemorrhage in treatment of severe stroke: results of the randomised, multicentre, multiregion, placebo-controlled CLEAR III trial.

Author:

Daniel F Hanley  et al.

Affiliation:

Daniel F Hanley, Acute Care Neurology, Division of Brain Injury Outcomes, Johns Hopkins University, Baltimore, USA

⇒ PubMedで読む[PMID:28081952]

ジャーナル名:Lancet.
発行年月:2017 Jan
巻数:[Epub ahead of print]
開始ページ:

【背景】

脳内血腫量が30ml以下で閉塞性水頭症を来している脳内出血患者を2群に分けて,脳室ドレナージチューブからtPA(アルテプラーゼ)か生理食塩液を8時間おきに最大12回投与し,灌流した(患者数:tPA=246,生理食塩液=249).一次エンドポイントは180日目の良好な機能予後(mRS≦3).

【結論】

mRS≦3はtPA群48%,生食群45%で差は無かった.tPA群の方が死亡率は低かったが(18% vs. 29%,p=0.006),mRS 5(重度障害)の割合はtPA群で高かった(17% vs. 9%, p=0.007).脳室炎と重篤な有害事象はtPA群で低かった(p<0.05).有症候性出血は共に2%であった.2本目のドレーンは共に27〜28%に挿入されていた.

【評価】

本研究はtPAによる脳室内血腫除去に関する最初のRCTである.tPA群,生食群とも,出血から脳室ドレナージまでの期間は7〜8時間(中央値)で,ランダム割り付けまでは約52時間,ランダム割り付けから初回投与までは約3時間であった.投与回数はtPA群で5回,生食群で12回であった.80%以上の血腫除去はtPA群33%,生食群10%で達成できた.
閉塞性水頭症をきたすような脳室内出血を伴ったtPA溶液による脳室内灌流の安全性は,本RCTで確認されたが,当初のエンドポイントであったmRS3以上の機能予後には影響を与えなかった.
今後,複数のドレーンで灌流するなど,より早期に,またより多量の血腫を除去するためのプロトコールをベースにtPAの有用性が再検討される必要性がある.

執筆者: 

有田和徳

関連文献


メールで読みたい方はこちら

メルマガ登録する