MRIのADCヒストグラムはDiffuse intrinsic pontine glioma (DIPG) の予後と相関する

公開日:

2017年3月7日  

最終更新日:

2017年4月25日

Apparent diffusion coefficient histogram metrics correlate with survival in diffuse intrinsic pontine glioma: a report from the Pediatric Brain Tumor Consortium.

Author:

Poussaint TY  et al.

Affiliation:

Department of Radiology, Division of Neuroradiology, Boston Children’s Hospital, Boston, MA

⇒ PubMedで読む[PMID:26487690]

ジャーナル名:Neuro Oncol.
発行年月:2016 May
巻数:18(5)
開始ページ:725

【背景】

DIPGはヒストンH3遺伝子変異を背景とし,小児の脳幹部,視床などに発生し,びまん性に発育する予後不良のグリオーマである.ボストン小児病院放射線科のPussaint TYらは,これまで小児脳腫瘍コンソーシアムで行った放射線と種々の分子標的薬の組み合わせによる臨床治験に登録された121例のDIPGのADCヒストグラムと予後の関係を検討した.解析対象の腫瘍のターゲットボリュームはFLAIR高信号の範囲とした.

【結論】

大部分の症例はADCヒストグラムが単峰性であり,二峰性群に比較してOSは短かった.ADC値が高いものはPFSが長かった.ADCヒストグラムの高い尖度と歪度は早期の腫瘍増大,短いPFSと相関した.造影効果が認められる腫瘍ではADC値が低く,ADCヒストグラの尖度は高く,PFSは有意に短かった.また造影効果が認められる腫瘍では,二峰性のヒストグラム群は単峰性ヒストグラム群よりADC値が低く,OS,PFSが短かった.

【評価】

ADC低値は細胞密度の高さを反映するものであろう.ヒストグラムは尖度が高く,ADCの低い方に偏っているのであれば,当然腫瘍全体が細胞密度の高い部分のみで構成されていることになる.本研究の強みは,解析対象の範囲をFLAIR画像を基に自動的設定した点,ADC画像の信号強度や均質性も視覚的な評価ではなくヒストグラムを作成して定量的に評価した点である.いずれの画像解析もFiji画像処理パッケージを用いている.弱点は,DIPGの診断が摘出組織ではなく画像のみによっている点,対象例が過去の種々の薬物治験の対象者であり,不均質であるという点である.

執筆者: 

有田和徳

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