座骨神経痛に対するプレガバリン:RCTで効果を否定

公開日:

2017年4月8日  

最終更新日:

2017年4月25日

Trial of Pregabalin for Acute and Chronic Sciatica.

Author:

Mathieson S and Lin CC  et al.

Affiliation:

the George Institute for Global Health and Sydney Medical School, Australia

⇒ PubMedで読む[PMID:28328324]

ジャーナル名:N Engl J Med.
発行年月:2017 Mar
巻数:376(12)
開始ページ:1111

【背景】

プレガバリン(リリカ)は 座骨神経痛に対する数少ない治療薬の1つであるが,その有用性は充分に検証されていない.本研究はオーストラリアの47施設で実施された慢性あるいは急性期の座骨神経痛に対するプレガバリンの二重盲検の結果である(実薬=109例,偽薬=101例).痛み自己評価(0〜10,10:worst possible pain,0:no pain)は,治験開始後8週と52週に実施した.

【結論】

プレガバリンは150 mg/dayから開始し,最大600 mg/dayまで増量した.痛み自己評価は,8週目においてプレガバリン群3.9に対して偽薬群3.1で,52週目においてプレガバリン群3.4に対して偽薬群3.0であり,差は無かった.その他の評価項目でも差が無かった. プレガバリン群で有害事象が有意に多く(p=0.002),めまいが最も多かった.

【評価】

本邦でも座骨神経痛に対してリリカが常用されていることを考慮すればかなりショッキングな報告である. 急性期座骨神経痛は自然寛解が多いことは良く知られており,本研究の対象患者のうち84.5%が発症後3ヵ月以内の急性期患者であったことがプレガバリンの効果を見えなくしている可能性は否定出来ない.
また,プレガバリンの効果は神経因性疼痛が主体であり,侵害性疼痛に対する効果は乏しいことも常識的である. 本研究の対象者のうち神経因性疼痛の特徴(painDETECT score ≧ 19)を呈した患者が1/3以下であったこともプレガバリンの有効性の否定につながった可能性がある.しかし,本研究は多数例の患者を対象にした二重盲検で、比較的急性期の座骨神経痛に対するプレガバリンの効果を明確に否定した.
神経因性疼痛に対して2003〜2010年に実施された大規模なプレガバリン治験が有効性を示したのに対して,最近数年間のコントロールスタディーはむしろ,その効果を否定するか,限定的な効果を報告するものが増えている. 対象を明確にして,良く計画された手法でさらなる検討が行われることを期待したい.

執筆者: 

有田和徳   

監修者: 

山口智

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