ステレオ脳波測定SEEGで判明したてんかん発作起始領域への温熱凝固療法の転帰

公開日:

2017年5月5日  

最終更新日:

2017年5月5日

Radiofrequency thermocoagulation of the seizure-onset zone during stereoelectroencephalography.

Author:

Dimova P  et al.

Affiliation:

Epilepsy Surgery Unit, Department of Neurosurgery, St. Ivan Rilski University Hospital, Sofia, Bulgaria

⇒ PubMedで読む[PMID:28150296]

ジャーナル名:Epilepsia.
発行年月:2017 Mar
巻数:58(3)
開始ページ:381

【背景】

欧州では伝統的に難治性てんかんの発作起始と拡延の把握にステレオ脳波測定(SEEG)が行われており,これで判明したてんかん発作起始部への温熱‐凝固治療(RFTC)の転帰に関して,後方視的な研究の結果がEpilepsiaで報告されている.

【結論】

23名の難治てんかん患者(6〜53歳)にSEEG誘導に基づくRFTCを行った.このうち,15名はMRI所見がなく,10名はSEEG所見に基づいた切除外科は不適格と考えられた.平均追跡期間は32カ月(2〜119カ月).50%以上の発作減少率が達成されたのは8名(34.8%)で,内1名が持続して(3.5カ月だが)して発作消失.15名(65.2%)がRFTCの効果がなかった.

【評価】

近年,視床下部過誤腫を有する難治てんかんに対する定位的温熱凝固療法(RFTC)の極めて高い有用性が西新潟中央病院より報告され,またステレオ脳波測定(SEEG)の再興が日本においても期待されている.
本研究で用いた手法は,SEEGの電極をそのまま使用して,選択した2極間で40〜50V,75〜110mA 10〜60s(mostly 30s)を通電して凝固巣を作成しようとするものである.凝固巣は通常数個(4.9±2.6個)作成する.
50%以上の発作減少は約3割であり,著効したとは言いがたいが,切除外科が不可能な真の難治てんかん患者にとっては,これでも大きな意義があると考えたい.
RCTF効果良好予測因子はMRI病変を有することのみであり,それ以外の発作間歇時てんかん放電(IEDs)範囲や発作起始部の範囲,電気刺激による発作誘発部位などてんかんに関する位置情報は,凝固部位の多寡と同様に重要な関連性は示されなかった.RFTC効果があった群においては,持続性IEDsが頻出する傾向にあり,これがMRI病変のない患者においてもてんかん原性焦点を示唆する有用なマーカーである可能性がある.

執筆者: 

大坪俊昭   

監修者: 

有田和徳

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