乳癌の脳転移:住民ベース疫学研究

公開日:

2017年6月3日  

最終更新日:

2017年6月3日

Brain Metastases in Newly Diagnosed Breast Cancer: A Population-Based Study.

Author:

Martin AM  et al.

Affiliation:

Department of Radiation Oncology, Dana-Farber/Brigham and Women's Cancer Center, Harvard Medical School, Boston, Massachusetts.

⇒ PubMedで読む[PMID:28301662]

ジャーナル名:JAMA Oncol.
発行年月:2017 Mar
巻数:[Epub ahead of print]
開始ページ:

【背景】

本研究は,乳癌の診断時にどのくらいの患者に脳転移が認められるのかを米国癌研究所(NCI, SEER)に2010〜2013年に登録された231,684例を対象に検討したものである.

【結論】

初診時の脳転移は,全症例の0.41%に認められ,全身のどこかに転移がある症例の7.56%に認められた.脳転移はホルモン受容体HR(-)かつHER2(+)の症例群とトリプルネガティブの症例群で最も高かった.脳転移症例の生存期間中央値は10ヵ月で,HR(+)かつHER2(+)群で最も長く(21.0 ヵ月),トリプルネガティブ群で最も短かった(6.0 ヵ月).

【評価】

臨床現場で,乳癌の脳転移症例を経験することが増加している.頭蓋内転移がどのようなポピュレーションを背景に脳外科医,放射線科医の前に登場しているのか,また乳癌患者のどのような亜群が脳転移しやすいのかを知ることは適切な治療戦略を立てる上で重要な情報である.
本研究はあくまでも初診時に発見された転移であるので,今後,この大規模コホートにおいて,経過中に発生する頭蓋内転移の頻度と危険因子が明らかになることを望みたい.

執筆者: 

有田和徳

関連文献


メールで読みたい方はこちら

メルマガ登録する