NOTCH4遺伝子多型(SNP)はAVMの発生と発症因子か

公開日:

2017年6月30日  

最終更新日:

2017年6月29日

NOTCH4 gene polymorphisms as potential risk factors for brain arteriovenous malformation development and hemorrhagic presentation.

Author:

Delev D  et al.

Affiliation:

Department of Neurosurgery, University of Bonn

⇒ PubMedで読む[PMID:27231971]

ジャーナル名:J Neurosurg.
発行年月:2017 May
巻数:126(5)
開始ページ:1552

【背景】

近年AVM発生におけるNOTCH4の関与が示唆されている.DelevらはAVM153例と健常者192例のNOTCH4を対象に,10種類のSNPを検索した.
またAVM群のうち臨床情報(出血,痙攣,その他)が登録されている129例について,症状とSNPの関連を検討した.

【結論】

対照群に比較して,AVM群では3〜4個のSNPからなる11個のハプロタイプがより高頻度に認められた(p ≦ 1×10-15).11個のハプロタイプの全てに,NOTCH4遺伝子のうちEGFR様ドメインの中に位置する3種のSNP(rs1109771[A/G],rs415929[A/G],rs715299[A/C])のうち少なくとも2個が含まれていた.単変量解析では10種類のSNPのうち rs443198_TTとrs915895_AAが出血(p=0.010,p=0.022),rs1109772_GGが痙攣(p=0.028)と関連していた.多変量解析で残ったのはrs443198_TTと出血との関連であった.

【評価】

持続活性型NOTCH4導入マウスモデルにおいて,血管内皮におけるNOTCH4シグナルの増加がAVM様の異常血管構築をもたらし,逆に NOTCH4シグナルの正常化はAVM血管径の縮小をもたらすことがわかっている.AVM治療の主要な目的は出血の予防だが,治療決定には将来の出血リスクと治療リスクを天秤にかける必要がある.分子遺伝学的特徴とAVMの発症との関係を示した点に本研究の臨床的な意義がある.また,出血の予測因子として挙げたrs443198_TTは他疾患においても出血関連因子として過去に報告がなく,AVMに特異的である可能性も考えられる.今後より大規模な症例対照研究での確認が必要である.

執筆者: 

牧野隆太郎   

監修者: 

有田和徳

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