頭部外傷に対する外減圧術後のシャント依存性の水頭症発症のリスク因子は何か ?

公開日:

2017年7月2日  

最終更新日:

2017年7月2日

Factors associated with shunt-dependent hydrocephalus after decompressive craniectomy for traumatic brain injury.

Author:

Vedantam A  et al.

Affiliation:

Department of Neurosurgery, Baylor College of Medicine, Houston, Texas, USA

⇒ PubMedで読む[PMID:28621627]

ジャーナル名:J Neurosurg.
発行年月:2017 Jun
巻数: [Epub ahead of print]
開始ページ:

【背景】

頭部外傷(TBI)では,11.9%〜36%で減圧開頭術(DC)後に外傷後水頭症(PTH)をきたし,これが術後の予後不良の原因となりうる.PTHの早期診断と早期治療により,水頭症に伴う神経学的合併症を予防することが可能だが,シャントの必要性を招く因子は明らかでない.そこで米国, Baylor College of MedicineのGopinathらは,シャント依存性水頭症発症のリスク因子を明らかにすべく,Erythropoietin Severe TBI trialに登録されたDC後のTBI症例を対象として検証を行った(n=60).

【結論】

DCを施行した患者の43.3%でPTHが生じ,患者全体の25%でVPシャント留置が必要であった.多変量解析によれば,術後CTで半球間にヒグローマがあること(P=0.001)および,患者の年齢が若いこと(P=0.009)が,DC施行後のVPSの必要性と有意に関連があった.

【評価】

サンプル数が少ないながらも,減圧開頭術の有名な合併症である外傷後水頭症発症のリスク因子が明らかにした点で新規性がある.減圧開頭術後の管理にも影響を与えるであろう. 今回は,術後VPシャントを留置した群と留置しなかった群で,6ヶ月後のGOSに有意差は見られなかったが,今後多数例での長期のフォローアップによる検討が必要である.
ちなみに本研究のデータ源となったErythropoietin Severe TBI trialは,エリスロポエチンの神経細胞保護作用を期待して世界7カ国29施設で実施されたplacebo-control RCTであり,中等症から重症の頭部外傷患者 606 例が登録された(エリスロポエチン群:302例,対照群:294例).その結果は2015年Lancet誌上で報告されたが,エリスロポエチン投与は,重度神経障害(GOS-E level:1-4)の割合を減少させなかった.

執筆者: 

原裕明   

監修者: 

有田和徳

メールで読みたい方はこちら

メルマガ登録する