末梢性神経鞘腫瘍の病態と治療

公開日:

2017年8月8日  

最終更新日:

2017年8月8日

Management of peripheral nerve sheath tumors: 17 years of experience at Toronto Western Hospital.

Author:

Guha D  et al.

Affiliation:

Department of Surgery, University of Toronto; and 2Division of Neurosurgery, Toronto Western Hospital, University Health Network, Toronto, Ontario, Canada

⇒ PubMedで読む[PMID:28686119]

ジャーナル名:J Neurosurg.
発行年月:2017 Jul
巻数:[Epub ahead of print]
開始ページ:

【背景】

トロント・ウェスタン大学のGuhaらは,1993〜2010年の間に手術された末梢性神経鞘腫(PNST)の臨床像を求めた(患者数=175,腫瘍数=201).

【結論】

良性は182例,悪性は19例.良性のうち133例は神経鞘腫でこのうち21例はSchwannomatosis(NF3)に伴っていた.49例は神経線維腫で,このうち26例はNF1に伴っていた.神経鞘腫症例は神経線維腫症例より年齢が高かった(48.4 vs. 38.6歳).PNST全体では運動症状よりは有痛性腫瘤として発症することが多い.摘出が亜全摘にとどまれば,良性の腫瘍でも再発率は高い.またNF1とNF3に伴うものは再発率が高い.

【評価】

日本の脳外科医にとって末梢性神経鞘腫を経験することは稀である.しかし,脳外科医は基本診療科として中枢神経のみならず,脊髄,末梢性神経を含めた神経疾患全体をカバーしなければならない.トロント・ウェスタン大学から報告された本論文は末梢性神経鞘腫に関して,脳外科専門医にとって必要不可欠な情報を提供している.本文中には治療アルゴリズムも提案されている.
本論文で触れられているSchwannomatosis(NF3)は脊髄および,末梢神経上で複数の神経鞘腫を生じるが,前庭神経に腫瘍を呈することはない.また,NF1, NF2に見られるような種類の腫瘍(髄膜腫,脳室上衣細胞腫,神経膠星状細胞腫)を呈すことも殆どなく,学習障害も呈すことも無い.85%が弧発性,約半数でSMARCB1(INI1)の変異が認められる.

執筆者: 

有田和徳   

監修者: 

山畑仁志

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