急性期脳梗塞の血栓回収療法における,吸引型vs.ステント型のRCT(ASTER)

公開日:

2017年8月30日  

最終更新日:

2017年8月31日

Effect of Endovascular Contact Aspiration vs Stent Retriever on Revascularization in Patients With Acute Ischemic Stroke and Large Vessel Occlusion: The ASTER Randomized Clinical Trial.

Author:

Lapergue B  et al.

Affiliation:

Department of Stroke Center and Diagnostic and Interventional Neuroradiology, University of Versailles and Saint Quentin en Yvelines, Foch Hospital, Suresnes, France.

⇒ PubMedで読む[PMID:28763550]

ジャーナル名:JAMA.
発行年月:2017 Aug
巻数:318(5)
開始ページ:443

【背景】

急性期脳梗塞に対する血管内治療の手技として,現在の標準手技であるステントリトリーバーと,吸引型機器によって直接血栓を吸引する手技(ADAPT:a direct aspiration first pass technique)についてランダム化比較試験を行った.発症6時間以内の前方循環閉塞(ICA,M1,M2)381例(ADAPT:192例,ステント型:189例)が対象.

【結論】

発症から動脈穿刺までの中央値227分,両群間で再開通(TICI2b,3)率に有意差なし(p=0.53)[ADAPT:164例(85.4%),ステント型:157例(83.1%)].臨床的有効性転帰(24時間後のNIHSSスコア・90日後のmRSスコア)や有害事象(死亡,症候性頭蓋内出血,手技に関連等)において,両群間で有意差なし.

【評価】

急性期脳梗塞の血管内治療の手技として,Penumbraに代表されるADAPTの有効性はすでに報告されていたが,ステントリトリーバーと比較した無作為化試験はなかった.本試験の結果,急性期脳梗塞の血管内治療の手技としてADAPTは,MRCLEANをはじめとする大規模なランダム化試験によって,すでにエビデンスが確立しているステントリトリーバーと,再開通率,臨床転帰や安全性において同等であることが証明された.一方で,両手技とも再開通のための追加治療(ADAPT:23.8%,ステントリトリーバー:32.8%)を必要とした.実際の臨床現場でも、Penumbraをステントリトリーバーのcoaxial catheterとして用いるなど,両機器を組み合わせたテクニック(ARTS, CAPTIVE)が利用されており,今後さらなる再開通率の上昇が期待される.
2017年8月現在,ACE(吸引カテーテル)+ステント2本(都道府県によっては1本)までは厚労省の通達で保険診療の範囲となっている.

執筆者: 

坂本繁幸   

監修者: 

有田和徳

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