アクアポリンPETは悪性星細胞腫の鑑別に役立つ

公開日:

2017年10月18日  

最終更新日:

2017年10月18日

Aquaporin Positron Emission Tomography Differentiates Between Grade III and IV Human Astrocytoma.

Author:

Suzuki Y  et al.

Affiliation:

Center for Integrated Human Brain Science, Brain Research Institute, University of Niigata, Niigata, Japan;

⇒ PubMedで読む[PMID:28645205]

ジャーナル名:Neurosurgery.
発行年月:2017 Jun
巻数: [Epub ahead of print]
開始ページ:

【背景】

アクアポリン水チャネル蛋白は間葉の微少血管新生と細胞の浸潤性の増殖に関わっていることが明らかになっている.また,悪性星細胞腫においてはアクアポリンのうち特に1,4が高出現し,組織学的な悪性度との相関が指摘されている(参考文献1,2).アクアポリンPETで星細胞腫の鑑別が可能か否か検討した.使用した核種はアクアポリン結合性[11C]TGN-020.対象は15名(Grade III:7,grade IV:8),対照は健常成人10名.

【結論】

平均標準化取り込みはgrade III(0.51 ± 0.11),IV(1.50 ± 0.44)ともに,健常白質(0.17 ± 0.02)に比較して有意に増加していた(p < .001).Grade IVではgrade IIIに対して取り込み値は有意に高かった(p < 0.01).[11C]TGN-020 アクアポリンPETはGrde IIIとIVの星細胞腫を鑑別した.

【評価】

アクアポリン1は全身の血管腔に強発現しているが,脳では脈絡叢上皮以外では強く抑制されている.一方,アクアポリン4は星細胞が血管の基底膜に接触するendofootに広く発現している.悪性星細胞腫においてはアクアポリン1,4が強発現しており,微小血管新生,脳血液関門の喪失,腫瘍細胞の遊走・浸潤に関与している.
本研究ではアクアポリンPETがGrade IIIとIVの星細胞腫の鑑別に有用であることが示唆されたが,他の画像診断モダリティーとの比較,他の核種を用いたPET検査との比較はこれからの課題である.
一方で本研究は選択的アクアポリン抑制剤の使用による腫瘍細胞の浸潤抑制の可能性を示唆している.

執筆者: 

一ノ瀬信彦   

監修者: 

有田和徳

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