公開日:
2017年11月22日最終更新日:
2021年2月4日【背景】
神経膠芽腫に対する標準治療は摘出術後の放射線照射+テモゾロミド(Stupp regimen)であるが,12ヵ月目の無増悪生存率は27%に過ぎない.すなわち,約75%の患者は1年以内に進行するか再発する(参考文献1).
ベバシズマブは臨床の現場で膠芽腫に対する使用が拡大しているが,初発膠芽腫に対する無増悪生存期間(PFS)の延長効果は認められるものの,全生存期間(OS)の延長は未だに大規模なランダム化比較試験では証明されていない(参考文献2,3).
一方,進行性膠芽腫患者に対するベバシズマブの治験としては,オランダのTaalらによるPhase II試験(BELOB trial)がある(参考文献4).BELOB試験では,9ヵ月目の全生存率はCCNU(ロムスチン)単独治療群で43%に対して,ロムスチン+ベバシズマブの併用治療群で63%とやや高かった(参考文献4).本EORTC26101試験はこの結果を受けて実施された第III相ランダム化比較試験である.
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