頭痛のみで来院したくも膜下出血を見落とさない方法

公開日:

2017年12月19日  

最終更新日:

2017年12月19日

Validation of the Ottawa Subarachnoid Hemorrhage Rule in patients with acute headache.

Author:

Jeffrey J. Perry  et al.

Affiliation:

Department of Emergency Medicine, University of Ottawa, Ottawa, Ontario, Canada

⇒ PubMedで読む[PMID:29133539]

ジャーナル名:CMAJ.
発行年月:2017 Nov
巻数:189(45)
開始ページ:E1379

【背景】

くも膜下出血は頭痛全体のごく一部を占めるに過ぎないが,重篤な転帰を取り得る.意識障害や神経学的脱落症状があれば見落とされないが,初診時に意識清明で神経学的脱落症状を伴わないことも多い.カナダ・オンタリオ州では,非外傷性くも膜下出血の5%が見落とされていたが,特に小さな病院でその傾向は強かった.著者らはオタワくも膜下出血診断法(Ottawa SAH Rule)を導入しているが,今回,その正確性や臨床適合性,画像検査を要する率等を検討した.

【結論】

オタワくも膜下出血診断法(Ottawa SAH Rule)は,以下の内,1項目以上該当する場合はくも膜下出血を疑い,検索を行うとするものである(頸部痛もしくは項部硬直,年齢40歳以上,意識消失,労作時発症,雷鳴様頭痛,頸部前屈制限).1,153人に対してOttawa SAH Ruleを用い,くも膜下出血は67例であった.感度は100%,特異度は13.6%であったが,画像検査の率は(Ottawa SAH Ruleを用いなかった群と)同等(87%)であった.

【評価】

くも膜下出血は重篤な転帰を取り得るため,その見落としを防ぐことは重要である.初期診断の遅れの主な要因は,WFNS分類でgradeⅠ・Ⅱの軽症であることであり,初期診断の遅れは再出血を有意に増加させる(参考文献1).オタワくも膜下出血診断法(Ottawa SAH Rule)の感度100%,特異度13.6%という結果は,その臨床的な有用性を示すものであり,初期診断の遅れを回避する貴重なスクリーニング・ツールと思われる.
もちろん,散瞳を始めとする動眼神経麻痺症状,その他の神経症状を診断基準に入れれば感度,特異度は向上するであろうが,くも膜下出血の初療を担当する小規模病院で診療に当たっている一般医にとっては,約1,000例を対象に感度100%を示したシンプルなスクリーニング・ツールは魅力的である.

執筆者: 

石神崇   

監修者: 

有田和徳

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