海綿静脈洞内海綿状血管腫に対するガンマナイフ

公開日:

2018年1月2日  

最終更新日:

2018年1月2日

Gamma Knife radiosurgery for hemangioma of the cavernous sinus.

Author:

Lee CC  et al.

Affiliation:

Department of Neurosurgery, Neurological Institute, Taipei Veterans General Hospital, Tapei, Taiwan, Republic of China

⇒ PubMedで読む[PMID:27341049]

ジャーナル名:J Neurosurg.
発行年月:2017 May
巻数:126(5)
開始ページ:1498

【背景】

海綿静脈洞内の海綿状血管腫(cavernous sinus hemangioma:CSH)は病理学的に脳内血管腫と同一ではあるが,その画像所見,臨床像は大きく異なる.自然に出血することはほとんどないが,安易に摘出しようとすれば,大量出血に見舞われることは良く知られている.台北退役軍人病院のLeeらは,CSHに対するガンマナイフの効果を国際共同研究で後方視的に検討した(N=31;初期治療がガンマナイフ:20例,初期治療が手術:11例).腫瘍体積は9.3 cm³(range 1.5–42.1 cm³).照射辺縁線量(isodose:55%)の中央値は12.6 Gy(range 12–19 Gy).照射後の経過観察期間中央値は40ヵ月.

【結論】

ガンマナイフ治療後6ヵ月目で,全例で50%以上の腫瘍体積の縮小が確認出来た.照射後の晩期再発,新たな海綿静脈洞症状,新たな視機能障害,下垂体機能低下,放射線障害は出なかった.術前,24例に脳神経症状が認められたが,6例が徐々に改善し,4例では症状寛解が得られた.

【評価】

脳内に発生する海綿状血管腫と海綿静脈洞や眼窩内に発生する脳外の海綿状血管腫は,組織学的には同一でも,画像所見,臨床像で大きな差異がある.脳外の海綿状血管腫は,出血は極めて稀で,MRIでもヘモジデリン沈着像は乏しい.T2強調MRIでは均一に高信号を呈し,ガドリニウムによって均一に造影される.CSHは一かじりでも大量出血することが知られており,手術による死亡率も高い.
従来からCSHに対する定位的放射線照射の効果は報告されていたが(参考文献1,2),本研究によって,ガンマナイフによる定位的照射の有用性があらためて示された.
術前に鑑別すべき腫瘍としては,髄膜腫,下垂体腺腫などが上がる.CSHの画像上の特徴を良く把握し(参考文献3),CSHが疑われる場合は安易な摘出よりも定位的放射線照射を選択すべきであろう.

執筆者: 

有田和徳

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