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2018年1月2日最終更新日:
2021年2月4日【背景】
海綿静脈洞内の海綿状血管腫(cavernous sinus hemangioma:CSH)は安易に摘出しようとすれば,大量の出血に見舞われることは良く知られている.このため,その治療としてはガンマナイフによる定位放射線治療が用いられることが多いが,腫瘍径が大きい場合,内頸動脈,脳神経,周囲脳の放射線障害が問題となる.上海市復旦大学のWangらは,このような巨大CSH(腫瘍体積>40 cm³)に対するサイバーナイフによる寡分割照射の効果を検討した(N=31).腫瘍体積中央値は64.4 cm³(range 40.9–145.3 cm³).照射は3〜4回に分けて実施された.照射辺縁線量(isodose:55%)の中央値は,3回照射の11例では21 Gy(range 19.5–21 Gy),4回照射の20例では22 Gy(range 18–22 Gy).照射後の経過観察期間中央値は30ヵ月.
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