維持テモゾロミドに対するTTF上乗せ効果の検討(RCT:NCT00916409)

公開日:

2018年1月3日  

最終更新日:

2018年1月2日

Effect of Tumor-Treating Fields Plus Maintenance Temozolomide vs Maintenance Temozolomide Alone on Survival in Patients With Glioblastoma: A Randomized Clinical Trial.

Author:

Stupp R  et al.

Affiliation:

Lou and Jean Malnati Brain Tumor Institute of the Robert H Lurie Comprehensive Cancer Center of Northwestern University, Chicago, IL, USA

⇒ PubMedで読む[PMID:29260225]

ジャーナル名:JAMA.
発行年月:2017 Dec
巻数:318(23)
開始ページ:2306

【背景】

TTF(Tumor-treating fields)は,頭皮に電場を作り出す粘着性シートを貼り付け,腫瘍治療電場と呼ばれる電場を発生させることによって,膠芽腫細胞の分裂を抑制し,アポトーシスをもたらす.Stuppらは,既に先行論文において,315例の膠芽腫患者を対象としたRCT(NCT00916409)の中間解析で,TTFのOSとPFSに対する効果を報告している(参考文献1).本論文は,全登録患者695名を対象として,最終追跡の結果を最終解析として報告している.追跡期間の最短24ヵ月,中間値40ヵ月.対象は初期治療(放射線照射+同時的テモゾロミド投与)が終了した初発膠芽腫患者で,割り付けは2:1で行われ,TTF+テモゾロミド群:466例,テモゾロミド単独:229例.両群ともテモゾロミドの投与サイクルは6-12コースであった.

【結論】

TTF+テモゾロミド群ではテモゾロミド単独群に比較して,有意な無増悪生存期間(PFS)の延長を示し(6.7ヵ月 vs 4.0ヵ月,HR: 0.63,P<0.001),また有意な全生存期間(OS)延長を示した(20.9ヵ月 vs 16.0ヵ月,HR:0.63,P <0.001).全身的な有害事象はTTF+テモゾロミド群で44%,テモゾロミド単独群48%で差はなく,頭皮の有害事象はTTF+テモゾロミド群のみに認められ,52%であった.

【評価】

あれ!Stuppはローザンヌからシカゴに移ったんだ,というのが第一印象.産学共同体は抜け目ない.
既にJAMAの前報で示された効果であるが(参考文献1),長期フォローでもテモゾロミド単独維持療法に対するTTFの上乗せ効果が確認出来た.さらに,検討した全てのサブグループ(MGMTの有無,切除率,年齢,KPS,性,合衆国内外)において,OSはTTF+テモゾロミド群の方が延長していた.
TTFは本邦でもこれから普及が予想される補助治療であるが,4ヵ月のOS延長を得るのに一年間で4千万〜5千万円とされる治療費(自費)を支払える患者は限られているように思われる(参考文献2,3).
ちなみにこの試験は北米,欧州,韓国,スイスの83医療機関で実施されており,日本は入っていない.

執筆者: 

有田和徳

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