急性期脳梗塞(6〜16時間)の血栓回収:さらに新しいエビデンス

公開日:

2018年3月21日  

最終更新日:

2018年4月18日

Thrombectomy for Stroke at 6 to 16 Hours with Selection by Perfusion Imaging.

Author:

G.W. Albers  et al.

Affiliation:

Departments of Neurology and Neurological Sciences, Stanford University School of Medicine, Stanford

⇒ PubMedで読む[PMID:29364767]

ジャーナル名:N Engl J Med.
発行年月:2018 Feb
巻数:378(8)
開始ページ:708

【背景】

先のDAWN試験にて,脳梗塞発症後6〜24時間における血栓回収療法の有効性が報告された.本DEFUSE 3は,最終無事確認時間から6〜16時間で,閉塞部位が中大脳動脈M1もしくは内頸動脈,虚血巣コア<70cc,ミスマッチ比(灌流低下域の体積/虚血巣コアの体積)>1.8の脳梗塞患者に対する血栓回収療法のRCTである(n=182の段階で,血栓回収群の優位性が確立したためエントリーは中止; 血栓回収群92名,対照群:標準的薬物療法のみ90名).

【結論】

発症90日後の修正ランキン・スケール(mRS)は血栓回収群で優れ(オッズ比2.77,P<0.001),これは層別因子調整後も同様であった(P<0.001). 機能的自立(mRS:0-2)率は血栓回収群44.6%,対照群16.7%(P<0.001),死亡率は血栓回収群14%,対照群26%(P=0.05)であった.症候性頭蓋内出血,その他有害事象の頻度は2群間に差は無かった.

【評価】

虚血性脳梗塞発症後6時間以降の血栓回収療法の有効性を示した2つ目のRCTである.既報のDWAN研究と同様,虚血巣の体積の評価には自動解析ソフト(RAPID,iSchemaView)を用いている.DWAN研究の対象がNIHSSと虚血コア体積の大きさのミスマッチ症例であったの対して,本DEFUSE 3では灌流低下域の体積と虚血コア体積のミスマッチ症例としている.さらに,DAWN試験の対象は虚血コア<50cc,NIHSS score≧10であるのに対しDEFUSE 3はより大きい虚血コア(<70cc)や軽症な例をも対象とし,治療適応を拡大している.実際, DEFUSE 3の約40%はDAWN試験の適応から外れる症例であった.
DAWN試験の結果に基づき,2018年1月には米国心臓協会(American Heart Association)と米国脳卒中協会(American Stroke Association)によるガイドライン改訂がなされたが,本DEFUSE 3はそれを強化する形となった.
今後さらなるRCTの結果が待たれるが,現時点では「発症後6〜16時間でDAWN or DEFUSE 3の適応を満たす患者に対する血栓回収は推奨(recommended)」,「発症6〜24時間でDAWNの適応を満たす患者に対する血栓回収は,少し推奨レベルが下がるが,妥当(reasonable)」がガイドラインに基づく共通認識となった.

執筆者: 

牧野隆太郎   

監修者: 

有田和徳

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