脳内出血患者の院内死:NOAC対ワーファリン,14万人の解析結果

公開日:

2018年3月23日  

最終更新日:

2018年4月18日

脳内出血患者の院内死:NOAC対ワーファリン,14万人の解析結果

Author:

lnohara T  et al.

Affiliation:

Duke Clinical Research Institute, Duke University Medical Center, Durham, North Carolina.

⇒ PubMedで読む[PMID:29372247]

ジャーナル名:JAMA.
発行年月:2018 Feb
巻数:319(5)
開始ページ:463

【背景】

抗凝固剤では,従来のワーファリンに代わってNOACの利用が広がっているが,脳内出血患者の転帰に関するNOAC服用の影響については充分に解明されていない.本研究は,米国のGet With The Guidelines-Stroke参加の1,662病院で,2013〜2016年に経験した脳内出血(ICH)患者141,311名の院内死亡を一次エンドポイントとした後方視的研究である.ICH発症前のワーファリン服用群 15,036名(10.6%),NOAC服用群 4,918名(3.5%).

【結論】

抗凝固剤を服用していた患者群では非服用者群と比較して,院内死亡率は高く,調整オッズ比(AOR)は1.62(ワーファリン群)と1.21(NOAC群)であった.NOAC服用者はワーファリン服用者に対して,院内死亡のリスクは低かった(AOR: 0.75).二剤の抗血小板剤を服用している患者群では抗血小板剤を服用していない患者群に比べて,NOAC服用患者ではワーファリン服用患者に比べて,院内死亡のリスクは低かったが,その差は有意ではなかった(p=0.07).

【評価】

かつてない大規模なコホートをもとにした研究である.NOAC使用患者では,ワーファリン群に比較して,院内死亡のリスクが低い事を明確にした.本研究でも明瞭になったワーファリン服用に伴う致死的なICHのリスクを考慮すれば,抗凝固剤の選択としてNOACが推奨されるが,適切な拮抗薬の欠如は懸念材料である.直接トロンビン阻害剤のダビガトランに関しては拮抗薬のイダルシツマブが本邦でも使用可能になったが,活性化第X因子阻害剤の拮抗薬に関しては,アンデキサネットが治験中であるが,発売タイミングは未定である(2018年3月現在).
ちなみにGet With The Guidelinesは「ガイドラインに追いつけ」の意味.

執筆者: 

菅田淳   

監修者: 

有田和徳

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