SeLECTスコアは脳梗塞後てんかん発作を予測する

公開日:

2018年4月2日  

最終更新日:

2018年4月18日

Prediction of late seizures after ischaemic stroke with a novel prognostic model (the SeLECT score): a multivariable prediction model development and validation study.

Author:

Galovic M  et al.

Affiliation:

Department of Neurology, Kantonsspital St Gallen, St Gallen, Switzerland

⇒ PubMedで読む[PMID:29413315]

ジャーナル名:Lancet Neurol.
発行年月:2018 Feb
巻数:17(2)
開始ページ:143

【背景】

脳卒中後のてんかん発作は重要な合併症であるが,その予測・予防に関する詳細は不明である.本研究はスイスの脳梗塞患者1,200症例において臨床情報とてんかん発症との関係を後方視的に解析し,発症予測に有用な指標を考案したものである.併せてオーストリア,ドイツ,イタリアにおける合計1,169症例に適用し,その精度を検証した.

【結論】

多変量解析により,脳梗塞の重症度(Severity of stroke, NIHSS),脳主幹動脈の動脈硬化(Large-artery atherosclerosis)による閉塞,早期(≦7日)痙攣(Early seizure),皮質病変(Cortical involvement),中大脳動脈病変(Territory of MCA)の5項目が抽出され,頭文字をとってSeLECTスコア(0〜9点)とした.
てんかん発作の発症リスクは,SeLECTスコア0点では1年以内に0.7%,5年以内に1.3%,9点では1年以内に63%,5年以内に83%であった.SeLECTスコアの有意性はオーストリア・ドイツ・イタリアのコホートでも同様であった(p<0.0001).

【評価】

脳梗塞後てんかん発作に関する大規模研究である.臨床上簡便で,ルーチン化しやすい評価項目を用いて予後予測を行える点で,SeLECTスコアは有用な指標であると言える.
問題点としては,①後方視研究につきもののデータの欠落,②CTのみで画像診断された症例があること,③電話による経過観察のため,患者の申告のみでは不整脈や低血圧による意識障害とてんかん発作との鑑別が難しい点,などが挙げられる.
脳梗塞後てんかん発作の予防法については未だ確立しておらず,本研究の結果は今後,脳梗塞後の予防的抗けいれん剤投与の適応となり得る患者の拾い上げや臨床治験を行う際の高リスク群の抽出に役立つものと思われる.
なお,SeLECTスコアを計算し,てんかん発症率を簡便に予測できるアプリ(SeLECT score)が配信されており,スマートフォン等で利用可能である.

執筆者: 

牧野隆太郎   

監修者: 

有田和徳

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