閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)も脳動脈瘤の予後因子

公開日:

2018年4月2日  

最終更新日:

2018年4月18日

Coexistence of obstructive sleep apnea worsens the overall outcome of intracranial aneurysm: a pioneer study.

Author:

Shyamal C  et al.

Affiliation:

Department of Neurosurgery, LSU Health-Shreveport, Louisiana

⇒ PubMedで読む[PMID:28338434]

ジャーナル名:J Neurosurg.
発行年月:2018 Mar
巻数:128(3)
開始ページ:735

【背景】

近年,閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)が腹部・胸部大動脈瘤の独立したリスク因子であるとの報告があったが,脳動脈瘤に関するデータは未だなかった.本研究は脳動脈瘤患者283名を対象に,OSAと臨床徴候との関係を検証した後ろ向き研究である.OSAのスクリーニングにはSTOP-BANGテスト,確定診断にはポリソムノグラフィ(PSG)を用いた.OSAの頻度に関する検討の対照は脳動脈瘤ではない脳外科患者100例.

【結論】

STOP-BANG陽性者は脳動脈瘤患者で多かった(16% vs. 4%,p=0.008).重症例(HH Grade Ⅴ,mRS Score 3〜6)は非OSA群(238例)よりOSA群(45例)に多かった(p=0.005, p=0.0001).OSA群には高血圧,BMI>30,脂質異常症,糖尿病,慢性心臓病,脳卒中の既往,wide-neckな動脈瘤,HHスケール重症例(Ⅳ,Ⅴ),破裂動脈瘤,血管攣縮,mRS score重症例(3〜6)などが多かった.そのうち高血圧(p=0.03),喫煙(p=0.002),OSA(p=0.04)の3項目は,単・多変量解析の両方で有意な予後予測因子であった.

【評価】

OSAは高血圧や肥満と複雑に絡み合う疾患であるが,それらとは別に酸化ストレス,交感神経活動,剪断応力などを介し血管内皮細胞の機能異常をきたす脳動脈瘤の独立した危険因子であると指摘されていた.本研究では,従来危険因子とされていた年齢や性別では有意差がなかったのに対し,OSAは単・多変量解析いずれにおいても危険因子であることが示された.
STOP-BANGは,①大きないびき(snoring),②日中の疲労感(tired),③第三者に指摘される無呼吸(observed apnea),④高血圧(high blood pressure),⑤BMI≧35,⑥年齢(age)≧50,首周囲(neck circumference)≧157インチ,⑧性別(gender)が男性,の8項目のうち3項目以上を満たした場合にOSAリスク群とするスクリーニング法である.本研究では陽性者の約半数しかPSGによる確定診断を行なっていない点が問題として上げられる.またSTOP-BANGはカナダ発のスクリーニング法であり,BMI≧35など本邦では適応しにくい項目もある.
しかし,本研究は動脈瘤の予後とOSAの関連を示唆した最初の報告という点で,意義が高い.今後,より大規模コホートでの追試が待たれる.

執筆者: 

牧野隆太郎   

監修者: 

有田和徳

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