膠芽腫のMGMTプロモーターのメチル化はMRIで予測可能

公開日:

2018年4月10日  

最終更新日:

2018年4月17日

Structural and advanced imaging in predicting MGMT promoter methylation of primary glioblastoma: a region of interest based analysis.

Author:

Han Y  et al.

Affiliation:

Department of Radiology & Functional and Molecular Imaging Key Lab of Shaanxi Province, Tangdu Hospital, the Military Medical University of PLA Airforce, Xi’an, China

⇒ PubMedで読む[PMID:29467012]

ジャーナル名:BMC Cancer.
発行年月:2018 Feb
巻数:18(1)
開始ページ:215

【背景】

膠芽腫におけるMGMTプロモーターのメチレーション(以下MGMTPメチル化)は,独立した予後因子であり,テモゾロミドを含むアルキル化剤治療の有用な予測因子である.また,放射線治療効果の予測因子であることも報告されている.MGMTPメチル化が画像で確実に予測出来れば,手術戦略,治療戦略の策定にも役立つと思われ,これまで,いくつかの予測因子が提案されてきたが(参考文献1,2),コンセンサスはない.いわゆるラジオミックスや機械学習による解析も提案されているが(参考文献3),当分,一般化は出来ない.中国人民解放軍空軍医科大学のHanらは,92例の膠芽腫を対象に,MGMT変異とMRI上の形態的評価項目ならびにadvanced imaging(ADC値,3D-pCASLに基づいたrCBF)を比較して,予測因子の検出を試みた.

【結論】

形態上の評価項目としては,腫瘍の存在部位(皮質あるいは脳室下帯との関係),腫瘍の正中越え,多発性,壊死,囊胞,浮腫,造影効果,左右を取り上げた.MGMTPメチル化は44例(47.8%)で認められた.形態的評価項目では,MGMTPメチル化と相関していたのは,腫瘍の存在部位(腫瘍が脳室下帯に及んでいないもの)と壊死の存在であった.ADC高値とcCBF低値もMGMTPメチル化と相関していた.ROC解析では腫瘍の存在部位,壊死,ADC値,rCBF値の組み合わせのAUCが0.914と最も高かった(感度85.7%,特異度85.2%).

【評価】

従来,MGMTPメチル化と相関する画像上の特徴として,左半球,側頭葉,頭頂葉,後頭葉,高い浮腫/壊死体積比,高い腫瘍体積/壊壊死体積比,大きな浮腫体積,高いADC値,高いメチオニン取り込み率などが様々な項目が報告されているが,これらを否定する報告もある.また,腫瘍の構造学的特徴の機械学習に基づく予測も行われてきたが,一般的ではない.
今回の研究では,脳室下帯が腫瘍によって冒されていないこと,壊死の存在,高いADC値,低いrCBF値が提案されている.しかし,MGMTPメチル化がなぜこれらの予測因子につながるのかは明らかにされていない.また,症例数が少ないこと,ADC値やrCBF値の測定部位(ROI)設定の検者間差のリスクも問題点として上げられる.
さらに,本論文では,MGMTPメチル化の検出方法が示されていないが,MGMTPメチル化の検出については,検査方法毎で陽性率が異なること,また腫瘍内での不均一性,正常細胞の混入(内皮細胞やマイクログリア)などの問題が指摘されている.
MGMTPメチル化を明確に予測し得る画像上の特徴,また予測のためのフォーミュラは何か,今後,精度の高い方法で,またより多数例での検討に期待したい.

執筆者: 

有田和徳   

監修者: 

比嘉那優太

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