脳アミロイドアンギオパチーに関連した脳皮質下出血を,MRIを用いずに診断できるか:Edinburgh criteriaの検証

公開日:

2018年4月17日  

最終更新日:

2018年4月17日

The Edinburgh CT and genetic diagnostic criteria for lobar intracerebral haemorrhage associated with cerebral amyloid angiopathy: model development and diagnostic test accuracy study.

Author:

Rodrigues MA  et al.

Affiliation:

Centre for Clinical Brain Sciences, University of Edinburgh, Edinburgh, UK

⇒ PubMedで読む[PMID:29331631]

ジャーナル名:Lancet Neurol.
発行年月:2018 Mar
巻数:17(3)
開始ページ:232

【背景】

脳アミロイドアンギオパチー(CAA)に関連した脳皮質下出血は再出血率が高く,それを予測することは重要である.MRIを用いた診断法であるmodified Boston criteriaは感度特異度共に高いが,急性期のMRI撮影が困難な施設も多い.Edinburgh大学のRodriguesらはCT所見とgenotypeによりCAAを予測する方法を検討した.

【結論】

2010年1月〜2016年10月のLINCHIPIN studyで,62例の脳皮質下出血をその病理所見と比較した.病理学的にアミロイドアンギオパチー(CAA)が中等度から高度の36例(58%)とCAAが存在しないか軽度の26例(42%)に分けて比較した.①くも膜下腔にも出血を伴うこと,②血腫の手指様の伸展,③APOEε4陽性は,それぞれ独立して,中等度から高度のCAAと有意の相関があった.この3項目をくみあわせると,診断基準として特異度96%,除外基準として感度100%であった.

【評価】

アミロイドアンギオパチー(CAA)に関連した脳出血の確定診断は従来病理診断を必要とするものであったが,近年,2001年にKnudsenらの発表したMRIを用いた診断法(Boston criteria)が用いられるようになった(参考文献1).更にLinnらの提唱するmodified Boston criteriaは,従来着目されてきたmicrobleeds(MBs)(CAA以外でも20%にみられる)に脳表のhemosiderin沈着(CAA以外ではほとんどみられない)を加え,感度,特異度を高めたものである(参考文献2).筆者らのCT診断基準の1つである,「くも膜下腔の出血」はMRIにおける脳表のhemosiderin沈着につながるものであろう.筆者らのEdinburgh criteriaは,CT所見とAPOEε4陽性とで高い感度,特異度を得た診断基準である.
APOEε4は簡単に測定できるものではないが,筆者らが述べるように,APOEε4を測定できなくても①(くも膜下腔にも血腫を伴うこと),②(血腫の手指様の伸展)のCT所見のみで高い特異度を維持できる(特異度:100%[95% CI:84〜100])ため,臨床現場では有用な鑑別方法と思われる.

執筆者: 

石神崇   

監修者: 

有田和徳

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