脊椎外科論文の王者は今も昔もアメリカ:2位は日本から中国へ

公開日:

2018年4月25日  

最終更新日:

2018年4月25日

Worldwide research productivity in the field of spine surgery: a 10-year bibliometric analysis.

Author:

Wei M  et al.

Affiliation:

Department of Orthopaedisc, Fuzhou General Hospital of Nanjing Military Command, Nanjin, China

⇒ PubMedで読む[PMID:26887690]

ジャーナル名:Eur Spine J.
発行年月:2016 Apr
巻数:25(4)
開始ページ:976

【背景】

脊椎外科領域での計量書誌学(bibliometric study)についての研究は少なく,本研究では2004〜2013年までの間に,脊椎外科の5誌(Spine, European Spine Journal, The Spine Journal,Journal of Neurosurgery: Spine,Journal of Spinal Disorders and Techniques)に掲載された13,115本の論文をもとに,国別,著者別の掲載数やh-indexなどについて解析を行った.

【結論】

総論文数は2004年の865本が2013年には1,628本と1.9倍に増加しており,10年合計での国別掲載数では米国 39.17%,日本 10.74%,中国 8.62%,以下,カナダ,ドイツ,英国,韓国であった.一年毎の論文掲載数では米国,日本がそれぞれ37〜40%,8〜11%程度で上位を占める状況はこの10年で変化はないが,中国と韓国の寄与率が急上昇している(それぞれ,2.1→13.64%,1.17→7.0%).h-indexでは米国が106であるのに対して,日,中,韓は40前後と低値であった.

【評価】

脊椎外科の研究領域での米国の圧倒的力量がこの10年で維持されていることが示された論文である.しかし,日本人の視点からは,他の領域と同様に脊椎外科領域でも中国,韓国が日本に肉薄,あるいは追い越している状況がわかる警鐘的な内容となっている.論文数でみたTop 10 authorsの中に日本から千葉大学整形外科の3名が名を連ねていることは心強い.しかし,年毎の論文総数では2013年に日本は2位の座を中国に明け渡しており,最新の統計ではさらにその差が広がっていることが推測される.因みにh-index 106とは106回以上他誌に引用された論文を106本持っているということであり,米国の研究論文が量のみでなく質的にも優れていることを示している.h-は,本指標の考案者のHirsh JEの頭文字である.過去最高のh-indexを挙げている個人はFreud S(1856-1939)で280,日本では大阪大学免疫学の審良静男(あきら・しずお)氏で258(2018年4月現在).

執筆者: 

山口智   

監修者: 

有田和徳

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