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2018年5月1日最終更新日:
2021年2月14日【背景】
1995年のアルテプラーゼの本邦への導入,そしてここ2〜3年で確定した血栓回収療法の有効性に続いて,急性期脳梗塞に対する新たなパラダイムシフトが訪れようとしている.アルテプラーゼ投与による急性期の主幹動脈の再開率は10%前後と低いが,アルテプラーゼを遺伝子工学的に変異させたテネクテプラーゼはフィブリン特異性が高く,半減期も長く,海外では既に心筋梗塞に対する第一選択薬として使用されている.
2012年に発表された,脳梗塞に対するアルテプラーゼ(0.9 mg/kg:25例) vs. テネクテプラーゼ(0.1 mg/kg:25例,0.25 mg/kg:25例)のII相RCT(TAAIS)では,テネクテプラーゼ群の方が再灌流率,臨床転帰が有意に優れていた(文献1).本研究は,発症後4.5時間以内の主幹動脈閉塞患者で,その後,血栓回収が予定されている202例を対象としたII相RCT(EXTEND-IA TNK)である.
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