DWIとFLAIRミスマッチを示す発症時間が不明な脳梗塞に対する血栓溶解療法:WAKE-UPトライアルの結果

公開日:

2018年5月29日  

最終更新日:

2021年2月15日

【背景】

現段階では,脳梗塞に対する血栓溶解療法としては発症後4.5時間以内の急性期脳梗塞が対象となっている.しかし,発症時間不明例にも潜在的な適応症例があるという指摘があった.朝起きた時に麻痺や言語障害に気づいた場合,イベントが2時間前でも健常最終確認時間は8時間前ということも起こりえるということである.
このWAKE-UP試験は朝起きた時に異常が発見されたか,発症時間を伝えることができない(失語や昏迷のため)患者で,拡散強調像(DWI)で虚血巣が認められながら,FLAIR画像で高信号が出ていないMRIミスマッチ患者が対象である(n=503).通常の血栓溶解療法の適応である最終確認時間から4.5時間以内受診の患者,梗塞範囲がMCA領域の1/3以上を占める患者,NIHSS 25以上の重症の患者は除外されている.主要評価項目は90日後の良好転帰(mRS;0-1),安全評価項目は不良転帰(中等症〜死亡;mRS;4-6)と症候性頭蓋内出血.