公開日:
2018年7月30日最終更新日:
2021年3月2日【背景】
カルボキシアミドトリアゾール(Carboxyamidotriazole,CAI)は,電位非依存的カルシウムチャンネル(Ca2+)ブロッカーで,多彩な細胞シグナルに影響を与え,動物モデルでは癌細胞増殖抑制,浸潤抑制,転移制御などの効果が認められている.また加齢黄斑変性などの血管新生性病変への利用も期待されている.CAIのオロチン酸塩(Carboxyamidotriazole Orotate:CTO)は,新規の経口投与可能な化合物で,CAIよりも抗腫瘍活性が高く,毒性が少ないことが示されている.また,テモゾロミド(TMZ)との相乗効果も報告されている(文献1).スローンケタリング癌センターを中心とする研究チームはTMZ耐性再発悪性グリオーマ27例(コホート1)と初発膠芽腫15例(コホート2)に対する経口CTOと経口TMZの併用療法のIb相試験を行った.
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