くも膜下出血の院内死亡を予測する4つの因子:スイス全例登録研究(Swiss SOS)から

公開日:

2018年7月30日  

最終更新日:

2021年3月2日

【背景】

最近数十年間の,破裂動脈瘤によるくも膜下出血死亡率は,病態の理解と治療手技の進歩によって徐々に低下してきているが,それでも20%以上の死亡率が報告されている.人口840万人のスイスではくも膜下出血の患者はほぼ全てが8つの三次脳外科施設の1つに搬送されるので,住民ベースでの研究が可能である.本研究の基盤はSwiss SOS (Swiss Study on Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage,2009~2015)による前向き登録のデータベースである.Swiss SOSは既にスイス全土におけるくも膜下出血の頻度が3.7/10万人/年であること,死亡率が約20%であることを明らかにしてきた(文献1).今回は,同データベースの後ろ向き解析によって,院内死亡を予測する因子を検討した.