一次予防アスピリンのリスク評価の前提:一般人口における重大出血の頻度はどれくらいなのか?

公開日:

2018年7月30日  

最終更新日:

2021年3月3日

【背景】

米国予防医学専門委員会(USPSTF)は,今後10年間の心血管疾患(CVD)発症リスクが10%以上の50〜59歳の成人に対し,心血管疾患と大腸癌の一次予防として,低用量アスピリン(75~100 mg/day)の使用を勧告している(文献1).しかし,低用量アスピリン服用のリスク-ベネフィット・バランス評価の前提となるアスピリンを服用していない健常人の重大出血のリスクに関する適切な研究報告はなく,勧告では過去の報告から推定した値を用いている(文献2).本研究はニュージーランドにおいてプライマリーケア及び,CVDリスク評価を受け,抗血小板剤を服用していない30〜79歳の359,166名を対象とした前向きコホート研究で,追跡期間中央値2.78年における重症出血イベントの頻度を求めた.