膠芽腫は脳室下帯の神経幹細胞から発生し,脳表方向に広がる:Natureより

公開日:

2018年8月21日  

最終更新日:

2021年3月3日

【背景】

膠芽腫(GBM)の起源が,脳室下帯(subventricular zone,SVZ)の神経幹細胞(NSC)であろうということは以前から推測されてはいたが(文献1,2),遺伝学的な証明はされていなかった.韓国大田(Daejeon)大学のLee等の研究グループは,IDH-1野生型の膠芽腫患者で超根治手術(MRI上の造影部分のみでなく正常部分を含む摘出)を受けた28人の①腫瘍組織,②健常なSVZ,③健常な脳皮質の3組についてdeep whole-genome sequencingの方法を用いて遺伝子プロファイルを検索した.さらに,既知のGBMのドライバー変異をマウスに誘導し,GBMを発生させ,連続切片で組織学的な検討を行った.