中年期の難聴は高齢期の側頭葉萎縮をもたらす

公開日:

2019年7月29日  

最終更新日:

2021年6月7日

【背景】

聴覚の一次感覚野は側頭葉の横側頭回(Heschl横回)であるが,周囲の側頭葉構造も聴覚に関与している.また中年期の難聴は高齢期での認知障害の要因の一つと言われている.米国国立老化研究所のArmstrongらは,一般住民における中年期の難聴が側頭葉体積に及ぼす影響を前向きコホート(BLSA,Baltimore Longitudinal Study of Aging)を用いて調査した.対象は194名で平均年齢54.5歳.良い方の耳が中等~重症難聴6名,軽度難聴26名,正常162名.全員で平均19.5年後に最低1回のMRIが,104名で2回のMRIが平均3.2年(1~6年)の間隔で施行された.