抗潰瘍剤テプレノン(セルベックス)がアルツハイマー病患者のMMSE改善をもたらす

公開日:

2019年10月31日  

最終更新日:

2022年6月13日

【背景】

抗潰瘍剤として30年以上一般に使用されてきたテプレノンの作用の一つに,胃粘膜細胞における熱ショック蛋白(HSP)誘導による変性蛋白の修正を通した細胞保護作用が知られている(文献1).また,最近テプレノンがHSP70の誘導を通して脳内アミロイドβ蛋白の変性・凝集を抑制する可能性も示唆されている(文献2).南風病院のYokoyamaらはこの効果を活かしたテプレノンのアルツハイマー病(AD)患者への治療効果を明らかにするために二重盲検RCTを実施した.患者はMMSE:13~26/30の軽度から中等度ADで,42例がテプレノン群に,37例が偽薬群に割り付けられた.評価は12ヵ月後に行った.