血管周囲腔の拡大は脳梗塞,認知機能低下,糖尿病と関連する:住民ベースコホートの死後脳MRIと剖検による検討

公開日:

2020年9月7日  

最終更新日:

2020年10月16日

【背景】

血管周囲腔は組織間液と髄液の搬送や脳からの廃棄物の処理にかかわっている.本稿は高齢者の認知機能に関する米国の3つの長期追跡コホート4566名のうちから,死後(ex vivo)脳MRIと脳の剖検がなされた654名(死亡時平均90歳)を対象に,死後MRIにおける血管周囲腔の拡大(EPVS)の程度と背景疾患,認知機能,病理所見を比較検討したものである.より障害が強そうな側の大脳半球をホルマリンで固定した後,3TMR装置でT2強調矢状断像を撮像した.MRI上のEPVSの評価はその数を基にスケール0:0個,1:1~10個,2:11個以上,3:びまん性,とした.MRI撮像の後,その脳の病理学的評価を行った.