くも膜下出血3日以内のプロカルシトニンレベルは遅発性脳虚血(DCI)を予測する

公開日:

2020年9月24日  

最終更新日:

2021年6月18日

【背景】

プロカルシトニン(PCT)は,カルシトニンの前駆蛋白として甲状腺のC細胞において生成され,敗血症や全身的感染症の重症度の優れた指標として,近年臨床応用が進んでいる.
一方,くも膜下出血後の遅発性脳虚血(DCI)は脳血管れん縮,早期脳損傷,大脳皮質拡延性抑制,脳灌流圧低下,静脈還流障害などが複合的に関与して発生すると理解され,くも膜下出血患者の予後に大きな影響を与える.
ドイツ・アーヘン大学のVeldemanらは,過去4年間にくも膜下出血で入院した患者のPCT濃度を毎日測定し,DCI(48.5%に発生)との関係を求めた.対象は132例(女性91例)で平均年齢55.9歳.