公開日:
2020年10月13日最終更新日:
2020年11月17日【背景】
強烈な心的外傷体験をきっかけに起こるPTSD(心的外傷後ストレス障害)は,米国では人口の8%程度(文献1)が罹患するとされ,QOLに強い障害を与え,大きな社会的問題にもなっている.本論文は頭部傷後PTSDを有する患者で,その後遅発性に右側頭葉てんかんとなった患者に対する選択的海馬扁桃体レーザーアブレーションがPTSDに及ぼす影響を調べたものである.症例はベトナム戦争中の爆発による外傷に起因する30年以上のPTSD歴を有し14年前から右側頭葉てんかんを発症した白人男性と,一族に対する繰り返しの暴行に起因する19年のPTSD歴を有し3年前から右側頭葉てんかんを発症した黒人女性.
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