グリオーマ特異的遺伝子パネルを用いた遺伝子診断と膠芽腫の新規サブタイプの提唱

公開日:

2020年11月22日  

最終更新日:

2020年12月29日

【背景】

2016年のWHO脳腫瘍分類改訂に伴い,グリオーマの診断にIDH1/2変異,1p/19q共欠失,H3-K27M変異などの遺伝子検査が必須となった.一方,1p/19q共欠失の判定に現在広く用いられるFISH法では偽陽性の問題がある.鹿児島大学のHigaらは,次世代シークエンサーを用いた遺伝子パネルを独自に作成し,1p/19q共欠失判定およびその他遺伝子背景を網羅的に解析した.
対象は2018年以降に手術を行った106例のグリオーマである.そのうちIDH野生型膠芽腫の56例に焦点を当て,臨床学的及び遺伝学的背景の解析を行った.