低用量ヘパリンの持続注入がくも膜下出血後の遅発性神経脱落症状や脳梗塞を減少させる

公開日:

2021年3月22日  

最終更新日:

2021年12月17日

【背景】

くも膜下出血は首尾良く再破裂防止の処置が実施されても,その後の血管れん縮によって遅発性神経脱落症状(DND)や脳梗塞に陥ることが多い.本研究は,低用量のヘパリン持続注入(LDIVH,12単位/kg/h)のDNDや脳梗塞に対する予防効果を検討したものである.対象は過去10年間でメリーランド医科大学でクリッピングやコイルによって動脈瘤が処置された556例で,233例には処置後12時間からLDIVHが,残りの323例には深部静脈血栓症予防のためにヘパリンの皮下注(SQH,5,000単位を1日3回)が行われた.